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呼吸器疾患

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呼吸器疾患丨厚木・本厚木丨あおぞらこどもクリニック小児科・アレルギー科|土曜診療

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呼吸器疾患

呼吸器疾患

乳児や幼児では、成人にくらべると、呼吸に関係する臓器の構造・機能が十分に発達していないため、喘鳴(ヒューヒュー、ゼーゼーすること)や咳などの症状が出やすく、また数週〜数ヶ月にわたり長引くことがあります。小児における長引く咳の原因疾患として、日本では呼吸器感染症が35%、気管支喘息が33%ほどを占めるという報告があり、特に低年齢では呼吸器感染症の割合が多いとされています。

新生児期・乳児期

出生後や乳児期早期から咳や喘鳴を認めるお子様の場合、原因として先天的に気道(空気の通り道:鼻・のど・気管など)が狭くなっている場合や、哺乳したミルクが胃から食道まで逆流してしまっている(胃食道逆流症)場合などがあります。成長とともに軽快するものから治療が必要となる場合まで様々であるため、X線検査やCT検査、喉頭ファイバー検査などを行い、正確に診断をする必要性があるため、高次医療機関と協力して判定していきます。
また、発作的に連続して咳こんだ後に、「ヒーッ」という吸気性(息を吸うときの)喘鳴を認める場合には百日咳も考えられます。6ヶ月未満の場合には、典型的な症状がなく、無呼吸をきたす場合もあります。他にも2歳までにほぼ100%のこどもが罹患するRSウイルスなども乳児では重症化することがあります。乳児は症状を訴えることができませんので、「ミルクが飲めない」「呼吸が苦しそう」といった場合には、速やかに受診をしてください。

幼児期

咳が長引く原因として、気管支喘息が多くみられるようになってきます。寝入りばなや明け方、運動時、タバコや花火などの煙を吸ったときなど咳き込みが止まらなくなったり、喘鳴を認めたりします。喘息のお子様は、気道の中でも肺に近い気管支が普段から炎症を起こしており、そこに運動や気候の変化などの刺激が加わり狭くなる発作を起こします。ひどくなると喘鳴(ヒューヒュー、ゼーゼー)を生じますが、これは狭くなった気道を息が通る音で、喘息の一般的な症状の一つですが、幼児の場合、聴診器でしっかりと聞かないと喘鳴がはっきり聞こえないこともあります。典型的な場合には、気管支拡張薬により軽快するため、治療への反応なども確認して正確に診断することを心がけます。その他にも副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎による後鼻漏なども長引く咳の原因となります。

学童・思春期

気管支喘息の他に、百日咳やマイコプラズマなどの呼吸器感染症により咳が長引くことがあります。また幼児と同様にアレルギー性鼻炎や副鼻腔炎も原因になる場合があります。日中に激しく咳き込んで、睡眠中や遊び・勉強などに集中している時には咳が全く聞かれなくなるという場合には、心因性咳嗽も疑われます。これといった心理的ストレスがはっきりとしないことも多いですが、身体的な異常がないかを確認しながら判定していきます。

呼吸器疾患関連の検査

呼気中一酸化窒素(FeNO)測定

一酸化窒素(NO)は気道の炎症の指標として研究が進められてきましたが、現在では携帯型の測定器が普及し、簡便に測定することができるようになりました。

  • ①気管支喘息の診断
  • ②治療効果判定
  • ③増悪・再発予測

気管支喘息の原因となる気道炎症の指標となるため、治療開始前の患者さんでは高値になります(①)。治療を行っていて、高値が続く場合にはしっかりと治療が継続できていない可能性も考えられますし、低値でも症状が改善しない場合には喘息以外の疾患が隠れている可能性も考えなければなりません(②)。治療を中止したのちに、低かったNO値が再上昇するような場合には、発作の再発を懸念し注意深く経過観察していく必要が出てきます。但し、FeNOは気管支喘息でのみ上昇するというわけではないため、結果は患者さんの状態により慎重に解釈する必要があります。

肺機能検査(スパイロメトリー)

スパイロメーターという測定装置を使って肺活量や換気量を測定します。息を大きく吸って、勢いよく吐き出して測定する検査のため、最大呼吸努力ができる年齢(概ね小学生以上)でなければできません。拘束性障害(肺が広がりにくい)があるのか、閉塞性障害(息を吐き出しにくくなっている)があるのかを評価することができますが、こどもの場合には主に気管支喘息の診断、治療効果判定に用います。

  • 拘束性障害:間質性肺炎、胸膜炎、神経・筋疾患など
  • 閉塞性障害:気管支喘息、肺気腫など

気管支喘息のお子様は、元気な時でも肺機能検査を行うと閉塞性障害がある場合があります。そこで気管支拡張薬を吸入してもらったのちに再び検査を行い、大きく改善するような場合は、気管支喘息を強く疑う根拠となります。

こんな症状のお子様が対象です

  • 咳がなかなか治らない
  • 朝方や走ったりすると咳き込む
  • のどが詰まるような感じの咳がある
  • ミルクが飲めない
  • 突然むせたように咳き込む
  • ゼーゼー・ヒューヒューした音が聞こえる
  • 息を吸う時に喉や胸がペコペコとへこむ
  • 息が時折止まっている気がする

こどもの場合は、かぜをひいた後に、咳、痰、喘鳴などの症状が数週間にわたって良くならないことがありますが、症状に対しての治療だけで十分であるのかどうかを判断することは難しい場合が多くあります。また気管支喘息と診断されている場合でも、治療でなかなか良くならないということもあります。典型的に喘鳴が聞こえたり、気管支拡張薬が劇的に効く場合を除いて、小児における喘息の診断は容易ではありません。「この検査で、この結果だから喘息です」と確定できるような検査もありません。ご本人の症状の経過や診察所見、各種検査結果を合わせて総合的に診断して参ります。