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アレルギー疾患

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アレルギー疾患丨厚木・本厚木丨あおぞらこどもクリニック小児科・アレルギー科|土曜診療

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アレルギー疾患

私たちの体には「免疫」と呼ばれる仕組みがあり、例えば細菌やウイルスなどが体に侵入してきた際に、これらを異物として認識し攻撃して排除しようとするものです。食べ物や花粉、ダニなども体にとっては異物であり、「免疫」が過剰に働いて反応する際に自分の体を傷つけてしまう場合をアレルギー反応と呼びます。複数の臓器にアレルギー症状が生じて、生命に危機が及ぶようなアナフィラキシーと呼ばれる重篤な状態が引き起こされることもあります。

近年では成人からこどもまで、多くの日本人がアレルギー疾患に悩まされています。アレルギー疾患の治療においては①原因となるアレルゲンの回避、②正しい薬物療法に加えて③病気と治療の重要性を理解し継続することが大切です。

アレルギー疾患には次のようなものがあります。

  • 気管支喘息
  • アレルギー性鼻炎
  • アトピー性皮膚炎
  • アレルギー性結膜炎
  • 花粉症
  • 食物アレルギー
  • 薬物アレルギー など

気管支喘息

気管支喘息とは、喘鳴(ヒューヒュー、ゼイゼイ)と呼吸困難を繰り返す病気です。喘息の患者さんの気管支は慢性的に炎症を起こしており、運動や冷気、気候の変化、風邪のウイルスなど様々な刺激に対して過敏になっています(気道過敏性)。過敏な気管の内側で分泌物(痰)が増えるとともに、粘膜を囲む筋肉が縮むために空気の通り道が狭くなり呼吸が苦しくなります。喘息の治療には、気管支拡張薬を中心とした苦しい呼吸を楽にする治療(発作治療)と、吸入ステロイドを中心とした過敏性の根本原因である慢性気道炎症を改善する治療(長期管理)の2つがありますが、長期管理は特に重要で、発作を起こさずに運動を含めた日常生活を元気に過ごせることを目標とします。

気管支喘息

気管支喘息

アレルギー性鼻炎

アレルギー性鼻炎とは、「くしゃみ」「鼻水」「鼻づまり」を主な症状とする疾患です。ハウスダスト、ダニ、動物の毛などが原因の通年性アレルギー性鼻炎、花粉などの季節性アレルギー性鼻炎があります。体にとっては異物である抗原をくしゃみで吹き飛ばしたり、鼻水で洗い流す、鼻をつまらせてさらに抗原を侵入させないようにする防御反応が過剰に働いたものと言えます。治療の第一は原因となる抗原の回避・除去です。薬物療法としては症状や重症度に応じて抗ヒスタミン薬や鼻噴霧用ステロイド薬を使います。症状を出にくくする治療として、舌下免疫療法を行う患者さんも増えています。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は、痒みのある湿疹が体や四肢の左右対称にできる慢性的な皮膚疾患で、良くなったり悪くなったりを繰り返します。アトピー性皮膚炎という病名から、アレルギーが強く関与しているように思われますが、その原因は先天的な皮膚のバリア機構の弱さによるものが大きいと考えられています。皮膚のバリアが破綻しているところに汗や掻爬、抗原などの刺激が加わり炎症を引き起こします。治療としては炎症を抑えるためのステロイド外用薬やタクロリムス外用薬と、バリア機構を補うための保湿剤を中心としたスキンケアが重要となります。また、かゆみを悪化させる原因に対しての環境整備も重要です。

蕁麻疹(じんましん)

蕁麻疹とは、皮膚の一部に突然に膨疹(ぼうしん)と呼ばれる赤く膨らんだ発疹が引き起こされる病気です。
こどもの蕁麻疹の多くは、明らかな原因がない特発性蕁麻疹が多いですが、特定の刺激により症状が出る刺激誘発型、目や口などの粘膜が腫れる血管性浮腫、蕁麻疹関連疾患などもあります。
急激に発症する膨疹が特徴で、1cmほどの大きさのものから地図状に広く広がることもあります。蕁麻疹の膨疹は非常に強いかゆみを伴い、数時間のうちに体の至る所に広がり、多くの場合、数時間で個疹は消失します。特発性が多いため、原因や重症度などを調べる検査はありませんが、アレルギーの関与が疑われる場合や長期に及ぶ場合には血液検査などを行うこともあります。治療の基本は原因の回避・除去と抗ヒスタミン薬を中心とした薬物療法ですが、症状が長期に及んでいる場合は、その期間に応じて長期的な治療の継続が必要となります。

花粉症

花粉症とは、植物の花粉が原因で生じる鼻や目の症状を言います。季節性アレルギー性疾患の総称です。患者数は年々増加傾向で、原因となる植物は、スギやヒノキ、イネ、ヨモギ、カモガヤ、ブタクサ、シラカンバなどです。花粉は植物の種類によって飛散時期が異なります。また、気象条件によって飛散時期や飛散量に変動があり、地域差もあります。
花粉は鼻や目から体に取り込まれると免疫機構によって異物として認識され、これらの物質が神経や血管を刺激することで、花粉症を発症します。
花粉症の主な症状は「くしゃみ」「鼻水」「鼻づまり」ですが、「目の痒み」「充血」といった症状もほぼ必発です。他にも頭痛や胃腸症状、顔など露出部位の皮膚の発赤やかゆみなど色々な症状がみられます。

食物アレルギー

食物アレルギーとは、特定の食品によって引き起こされるアレルギー反応です。皮膚症状が出現することが大半ですが、他に呼吸器、消化器など複数の臓器に症状が出現することをアナフィラキシーと呼びます。原因となる食品は、1歳未満では鶏卵、牛乳、小麦の3品目で全体の90%を占めます。1歳以降、鶏卵と牛乳の割合は減少し、学童期になると甲殻類や果物などが問題となります。

対応としては、適切なアレルゲン診断を受け、最小限の除去を正確に行うことで安全に豊かな食生活を保つことが重要です。アレルゲンの診断や耐性を獲得しているかは血液検査や皮膚テストで補助的に診断することができますが、最も確実なのは経口負荷試験となり、食物アレルギー診療では必須の検査になります。負荷試験や除去食をどのように進めるかご相談ください。また、アナフィラキシーの既往のあるお子様にはアドレナリン自己注射液(エピペン®️)を携行していただくこともあります。

食物アレルギー

食物アレルギー緊急の場合は
衣服の上からでも注射可能

舌下免疫療法

スギ花粉症やダニアレルギーに対する治療法としてアレルゲン免疫療法が古くから行われていました。
アレルゲンを含む薬を皮下に注射する「皮下免疫療法」が行われていましたが、近年では治療薬を舌の下に投与する「舌下免疫療法」が登場し、安全かつ簡便に継続できる治療として普及しています。スギ花粉やダニのエキスを含んだ薬を、1日1回毎日服用します。これを3〜5年という長期に亘り継続することで、アレルギー症状を根治したり、長期にわたり症状を抑える効果が期待できます。副作用として、口の粘膜の腫れやかゆみ、喉の不快感などが出ることもあるため、初回は院内で内服してもらい、問題がないことを確認した上で、ご自宅で継続していただきます。スギ花粉が飛んでいる時期は、スギ花粉に対する体の反応性が高まっているため、スギ花粉症に対する治療は、この時期には新たには開始できません。花粉の飛散時期を過ぎた時点で開始します。正しく治療が行われた場合、初めてのスギ花粉飛散シーズンから、ダニの場合は治療開始数ヶ月後から効果が期待できます。
特に、花粉の時期に服薬をしていても症状が強い方、ダニアレルギーがあり1年を通じて服薬を中断できない方などご相談ください。

アレルゲン免疫療法ナビ